初めてのグループ展『紙あそび展』のこと(後編)

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先月、東京池袋の「GALLERY KAMON Irie」にて開催された、グループ展『紙あそび展』に参加させていただきました。

その感想ブログの後編です。

前編はこちらから。

東京で迷う

学生の頃、東京に美術館巡りに来たことがあり、その頃はガラケー片手に、全く迷うことなく色々行けたので、まあ今回も大丈夫だろうと思っていました。
スマホあるし。もともと方向音痴ではないし。

それが今回着いてびっくり。
東京駅から出るのに30分かかりました。

山手線が見つけられなくて迷ったのもあるし、トイレに行こうとしたらトイレも行列。
オープン前のお店にも行列。東京は、どこもかしこも行列で、「これは予定通り行くのは無理だな」と悟りました。

この日はデザフェスも、文学フリマもあったし、北村ハルコさん個展、アサバマリエさん個展、川瀬巴水展示、こまちみゆたさん個展、HBギャラリーでの三人展などなど、せっかく東京に来たのなら観て帰りたい!という展示がたくさんあったのに、この時点で完全に諦めました。

いざギャラリーへ

山手線に乗れた時には、心底ホッとしました。これで遅刻しないぞ。
山手線ではもちろん座れなくて、向かいのホームの下にたくさん落ちているゴミを眺めながら、池袋まで乗りました。

池袋、人が多いし都会でした。
会場は閑静な住宅街にあると聞いていたので、そこを目指して歩きます。

駅を出てからは、Google MAPがあるので、全く迷いませんでした。
おかげで1時間ぐらい早く会場に着き、もちろんギャラリーはまだ閉まっています。

でもこれは想定内。

この近くにあるという名建築を見学して、オープンまで過ごそうと思っていました。

『重要文化財 自由学園明日館』

結婚式で貸切ということで、見学できませんでした。

外観とショップだけ見て、終了。

時間が余った。土地勘のない場所で、何のあてもない。

困った時は、公園。
ギャラリー近くに公園があると聞いていたので、そこを目指して移動。
公園で、朝買った蒸しパンとお茶で昼食をとり、時間を潰しました。

初めての在廊

展示オープンの時間が近づき、再度ギャラリーへ。
この時が、この日1番緊張していたのではないかと思います。

私が到着した時には、既に3人ぐらいメンバーの方がいらっしゃいました。
初めましての挨拶をしたのですが、緊張しすぎて、この後の記憶があまりありません。

展示が初めてなので、在廊というのも初めてで、何をして過ごせば良いのか、一瞬オロオロしました。

私は他の参加者の皆さまの展示を楽しみにしていたので、一通り見て、ポートフォリオのファイルを拝見し、呉服販売員時代の癖で、グッズを整理整頓してしまったりしていました。

オープンして間も無く、お客さんが次々いらっしゃって、お客さんが展示を見ている横で、私はどこで何をすれば良いのやら・・・このまま喋っていていいのか、黙ったほうがいいのか、結局、正解は分からずじまいでした。

SNSの世界を超えて

私は、在廊日が1日しかなかったため、この日、SNSを観てたくさんの方が足を運んでくださいました。

SNSで私のイラストを観てくださっていた方
SNSで仲良くしていただいていた方
スクールで一緒だった先輩
お仕事で悩んだ時に励ましてくださったイラストレーターの先輩
私の推しイラストレーターさん
一緒にお仕事させていただいた編集者さん
スペースつながりで知り合った若きクリエイターの皆さん などなど、

関心を寄せていただき、時間を作って足を運んでいただいたこと、本当にありがたく思いました。

実際、私の絵が観たい!というよりは、
「滅多に田舎から出てこない人がきたから。」
「この機会を逃すと、もう会えないかもしれないから来た。」
と言ってくださる方が多かったのです。それもまた良きです。

撤収〜帰宅

最終日の展示は4時間だったこともあり、あっという間に終わりの時間に。

気づいたら、欲しいと思っていたグッズも売り切れていたりして、滑り込みでZINEを購入しました。

そのあとは、1時間ぐらいかけて撤収作業をして、ギャラリーのオーナー様から一言いただいたりして、解散になりました。

池袋駅で皆さんとお別れして、最終の新幹線までまだかなり時間があったのですが、疲れ過ぎて、どこか行く余裕もなく、東京駅へ。

山手線も逆へ向かう電車のホームに来ていることに気づいたけれど、正しいホームを探す気力もなく、そのまま逆向きの電車に乗りました。とにかく足が痛かった。

東京駅に着いて、空腹に堪え兼ねて、そばを食べました。

「そば、高すぎん・・・?」と思ったけれど、やはり疲れ過ぎていて、他のお店を探す気力もなく、目の前のお店に入ることに。
メニューに「江戸前天ぷら」というのがあって、美味しいものを食べることが生き甲斐の私としては、是非食べておきたかったけれど、こちらも疲労で胃袋が受け付けなかった…。

東京駅で、子供たちへのお土産を買い、力尽きて、駅の待合室で1時間以上時間を潰しました。

展示の後、どこか観光しようと思って最終の電車にしたけれど、無いのは時間ではなく、私の体力の方でした。
そりゃもう40過ぎているのだから、大した運動もしていないのだから、当然といえば当然。

新幹線に乗って、またあっという間に岡山に着きました。

岡山の駅は、階段降りたらすぐ改札で、このシンプルさに感動した。
東京駅は迷路みたいだったから。

日付が変わる頃に無事帰宅。倒れこむように就寝。

翌日からは容赦なく、朝から子供たちを学校へ送り出し、フリースクールに連れて行く日常が待っている。
明日は1日何もしたくな〜い…と思うぐらいには、疲れていました。

翌日、子供のいない時間に、展示のとき頂いたおやつを食べました。どれも美味しかった。

こんなお洒落なお菓子、初めて見た。さすが東京。

自分用に、北澤平祐さんのパッケージで有名なフランセのお菓子を。
可愛いし、レモンケーキとっても美味しかった。

展示を終えて。

1年ほど、ずっと心の片隅にあった展示は、始まってみると、あっという間に終了しました。

ここ十年ほど、家族以外の人と、ほとんど接点のない生活で。

それがいきなり東京に出てきて、初めてお会いする方に絵を観ていただき、お話しさせていただくという1日は、とても刺激的でした。

帰宅して、いつもの平凡な日常に戻ってしまうと、あれは夢だったのでは?と思うぐらいに。

できることなら、あと1日ぐらい在廊したかった・・・とか、
もっとグループ展メンバーの方とゆっくりお話ししたかった・・・とか、
色々と心残りもあるのですが、初めてやったことで100点満点を叩き出せるほど器用な人間ではないので、「頑張ったね。とてもいい経験をさせていただいたね。」と自分を労ってやりたいと思います。

展示内容につきましては、他の参加者の皆さんの展示を観て、もっと自由にやって良かったんだなと思いました。
いつも何事にもそうなのですが、「こうでないといけない」と勝手に決めつけてしまう節があり、面白みのないものを作りがちです。

他のメンバーの方が、好きなものを好きなように制作されている様子を見て、とても素敵だなと思ったし、できることなら、自分もそうなりたいと思いました。

まとめ

展示などするタイプのイラストレーターでもないにも関わらず、今回、グループ展に参加させていただくことができ、とても幸せに思っております。

家に引きこもって、ひとりで仕事ができるイラストレーターのお仕事が大好きですが、こうやって普段SNS越しに交流している方にお会いするのも、楽しいものだなと思いました。

子供がいるから、田舎に住んでいるからと、どこにも行けない、何もできないような気になっていましたが、東京は意外と近く、できることはもっとたくさんあるんだと思うことができました。

最後に、今回のグループ展を企画してくださった皆様、一緒に展示してくださった皆様、足を運んでいただいた皆様、気にかけてくださった皆様。本当にありがとうございました。
願わくば、これからも仲良くしていただけると幸いです。

そして、家でおとなしく待ってくれた子供たち、1日子守してくれた夫と義両親に感謝申し上げます。

ありがとうございました。

また、最後まで読んでくださった方がいらっしゃいましたら、ありがとうございました。

追伸。

今回の展示用に描いた、『育児』という絵です。
展示用に3枚ラフを描き、これだけ完成しました^^;